2023年5月19日より、婦人科がん臨床試験コンソーシアム(GOTIC)の理事長として就任いたしました藤原恵一です。
GOTICは2009年2月に一般社団法人として設立し、初代理事長 鈴木光明先生のリーダーシップのもとに発展を遂げてまいりました。特に創設以来取り組んでまいりました第3相比較試験、GOTIC-001(iPocc試験)とGOTIC-002 (LUFT)試験結果を2022年に発表できましたことは、私どもにとって大きな成果でした。特に、iPocc試験では、カルボプラチンの腹腔内投与の有用性が証明できたことで、新たな治療法が開発できました。これが達成できましたのは、皆様方の絶大なご支援の賜と厚く御礼申し上げます。
このような節目の時期に、GOTIC理事長職を引き継がせて頂きましたことは光栄であるとともに大きな責任を感じております。
創設以来、GOTICは、婦人科癌臨床研究を促進するための、インフラ整備、研究者教育に取り組んでまいりました。その成果が前述しました大規模試験の成果につながったと思われます。
私どもは、これまでの成果に安住することなく、進化を目指す必要があります。
臨床研究の究極の目標は、新たな治療法の開発です。それを達成するのに必要なのは、Good Scienceと、研究の実行力です。
まずGood Scienceを構築するには、若手研究者と研究支援者に対する教育をさらに強化し、国際的な協力が当たり前に行えるようなマインドセットの構築と醸成が肝要と考えます。これを達成するには、研究者(医師)のみでは得られなかった多様な視点をもつ必要があります。すなわち、専門家や研究者だけではなく、看護師をはじめとした医療従事者、患者団体など、GOTICのネットワークを活用しながら、協力と連携を深めることが、組織をより強固にするための鍵と考えています。
次に、臨床研究を実行するには、研究者を支援できるインフラを強化する必要があります。これには、既存の研究支援組織のみならず、新しいネットワークの開発が重要と考えており、試行錯誤を繰り返しながらでも目標を達成するべく前進していく所存です。
新たな治療法の開発により患者さんがよりよい生活を送れるようするためには、長い年月と数多くの人々の協力が必要です。私たちは、この目的を達成するために、全力を尽くして成長していく所存ですので、ご協力、ご指導よろしくお願い申し上げます。